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(社)日本愛玩動物協会行の機関誌より 南里 秀子 |
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多くの家の猫たちを見ていると1頭飼いの猫よりも、2頭以上で生活している猫の方が、表情が豊かで好奇心があり、のびのびと猫らしく行動しているように思える。おそらく、仲間がいることでコミュニケーションがとれ、おいかけっこや、プロレスごっこといった適度の刺激、お互いのグルーミングなどが、心と身体のバランスをとっているのでは無いだろうか。 |
1頭の場合、人間もかなり過保護になり、猫はおいしい食餌を取り、ただぬくぬくと寝るだけの動物になってしまう。 こうした無気力 無関心は肥満の原因になり、自分のおしりさえ舐められない猫になってしまうのだ。これは猫という動物としては非常に不自然な事である。 また「うちの猫は私がいないとだめ」と思いこんで外出もままならない人が良くいるが、この場合猫は元来自立した動物なので、人間の方が猫ばなれできていないということになろう。 2頭になると、外出の際の負い目も比較的軽くなるので、猫ばなれしやすくなるように思う。 1頭で留守番させるのと、2頭で留守番させるのとではだいぶ心の負担が違ってくるものだ。 さらに2頭いるとどちらかが病気になったときでも、発見しやすくなるというメリットがある。比較する猫がいるので、異常を発見しやすいのだ。 そして、2頭になったからといっても、世話まで2倍になるわけではない。 どちらかというと、2頭の猫から与えられる安らぎは、倍以上になるので人間にとっても大変プラスである。 さて、2頭めを迎える際の配慮としては、まず先住猫が若いうちに、そして異性の仔猫を迎えるのが好ましい。 あくまでも先住猫を尊重して、新しい猫に対応することが肝心である。 私の希望としてはできたら2頭目は、ノラネコや捨猫といった不幸な猫から選んであげてもらいたい。 そうすれば2頭の不幸な猫が救われることになるから。 新しい猫がきて、2頭がお互いになれるまでの時間は個体差があるので、人間はあまり心配せず気長に見守って欲しい。 よほどのことがない限り、人の心配をよそにある日突然抱き合って寝ていたりするものである。 |
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キャットライフ平成元年11月号より ジェルミ・エンジェル氏 |
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自分の本の読者から、私は色々なおもしろい便りをいただいたが、その中には猫を1匹だけ飼っている方がけっこう多かった。 その猫が自由に外へ出入りできれば、外で仲間が好きなほどできるのでいいのだが、色々なむずかしい事情の為に、猫を外へだせない方が多いようだ。 |
そういう方々に、そしてこれから猫を飼おうと考えている方にも、是非猫を2匹仔猫の頃から飼って頂きたい。 これは猫のためにも飼い主のためにもなる。 猫は外を出歩くときにひとりぼっちが好きだが、それ以外の時は殆どの猫は、猫仲間がいると私は思う。 たとえ飼い主がどんなにやさしくても、いつも昼も夜も部屋の中に閉じこめられている1匹の猫は、退屈もするし、淋しい思いもする。 だが、2匹がいると、確かにえさ代は倍かかるが、毎日その2匹のつき合い、遊び、違いを見て、猫を飼うのも10倍も楽しむことができると思う。 |
先日、防止会に、1匹のオス猫を交通事故で死なせてしまい、 残された猫がとても淋しそうなのでもう1匹飼いたいがどんな ものでしょうかというお問い合わせがありました。 早速、生後3ヶ月のメス猫をもらって頂きました。 おうちのオス猫は不妊手術をして待っていてくれましたので、 すぐに仲良しになりました。 最近の電話では「日中は2匹で留守番なのですがトイレも同じ 容器で上手にしているので世話はあまりかかりません。 オス猫はとてもお兄さんぶっていて、仔猫が食べ終わって からでなければ自分は食べないほどなので、”男の中の男” などとほめられています。」とのことでした。 必ずしも仔猫の時から一緒でなくても、このように仲良く暮らして いるお話をたくさん聞きます。 思い切って2匹目の猫を迎えてくださる方が増えることを 心から願っています。 |